【感想】座裏屋蘭丸先生「眠り男と恋男」

睡眠中無意識に性行動に走る。その行動を覚えてない。セッ○スの相手は誰でもいい。……男でも。
商売仲間で一緒に部屋を借りているロイスに、その症状が出たのは2週間前の夜。ジュードは以前から想いを寄せているロイスに、もう7回も体を奪われていた。体に火をつけられながらも、「ロイスは異性愛者なのだから、期待をしてはいけない」と自分に言い聞かせる。
投薬治療で治る病気だと知っていながら、ジュードはロイスに切り出せずにいたが――。

https://www.b-boy.jp/comics/60084

発売:2015年7月10日
定価:629円+税
レーベル:BE×BOY COMICS DELUXE



座裏屋蘭丸先生Twitter


Contents

▽人物紹介

5カップルが登場する本作。
各短編ごとの登場人物をご紹介します。


―眠り男と恋男―

ジュード…行商人。ロイスに片思い中。ゲイであることはロイスに言ってある。

ロイス…ジュードと共に商いをする。仕事は出来るがデリカシーが無く、見た目ほどモテない。飄々とした男。ロン毛、ノンケ。睡眠中無意識にジュードを抱く


―「優しいディナー」―

偏食家の少年。霧野の店に来店するように。

霧野…レストランのシェフ。葵の好き嫌いを治すという口実で、彼と接触。


―夜を逃げる―

ハル…過去のある出来事により、暗闇に対してもの凄い拒否反応を示す。

ユーゴ…建具屋の青年。ハルのことを慕って、よく訪ねてくる。


―太陽と秘密―

カイト…市内のホテルで住み込みバイトをする小麦肌の少年。

コーディ…カイトの前から急に姿を消した、ホテルの宿泊客。


―待つ花―

一葉(かずは)…神主。他者との交わりや、自らを慰める行為ですらも禁止されている。

鬼崎(きざき)…地主。一葉の元へと通う。



▽ストーリー

本作はいくつかの短編で構成されたアンソロジー形式です。各話のストーリーをご紹介します。


/眠り男と恋男

4年前から二人で行商へと赴くロイスとジュード。2年前からは一緒に暮らしている。

ロイスは”睡眠中に誰彼構わず抱く”という奇病を発症。朝起きると何も覚えていないロイスに対し、その事実を伝えなくてはと思いながらも、ずっと言えずにズルズルと抱かれてしまうジュード。

ジュードの苦悩しながらも快楽に流されてしまう表情が、色気爆発してます。


/優しいディナー

店に来店してきた葵と、度々不自然に目が合うと感じたシェフの霧野。

やがて二人は、”嫌いなものを食べながらの行為”に耽るようになる。

果実を交えながらのキスなど、つい見入ってしまうシーンが盛り沢山。

葵の偏食にも理由があるようで。

二人はこのまま体の関係で終わるのか、それとも。


/夜を逃げる

幼少期の事故のトラウマから、暗闇が大の苦手というハル。そんな彼を慕い毎晩押しかけてくるユーゴを都合よく思っていたハルだったが。

ハルが部屋の窓を増設した際、工事に来ていたユーゴと、行きずりの関係に。

ある日、予期せぬ停電が起きたことで、二人の距離はぎゅっと近づいていきます。


/太陽と秘密

カイトの前に突如現れたのは、一年前に去ったはずのコーディだった。

散々カイトの事を弄んだ挙句、姿を消したコーディが目の前に。

序盤はかなりのクズ男に思われるコーディですが、その素性が終盤には明かされます。

大勢人が乗るトラックの開けた荷台で、カイトがコーディにちょっかいを出されるシーンがあるのですが、相当カイトが可愛いので必見です。


/待つ花

神主である一葉の元へと、足繁く通う地主の鬼崎。

一葉は鬼崎に縛られながら拒否するも、体は正直で。

意地を張る一葉ですが、鬼崎に弄り倒されます。


/眠り男と恋男―その後―

ある日、滅多にない一人で行商お泊りのロイスが、まさかの薬を忘れてきてしまう。

自分の商いの予定をずらしてまで薬を届けに来たジュード。

自分以外の人間と接触されては困る、となんとしてでも薬を届けるジュードが大変健気です。



▽洋画のような画風、座裏屋蘭丸先生

:海外のお話しを描かれることが多い座裏屋蘭丸先生。今回もまた、程々に整備されたテキサス州の、広大な道路なんかを想像するような作品背景になっています。

受けの艶っぽさが全話とも凄まじいです。
体全体や顔の角度、震えている描写、飛散する汗、切ない表情……。
それらが紙面一杯に存分に描かれています。

:表題作は80頁近くありますが、他は20~30頁程。にも関わらず、ストーリーに深みがあり面白いので、読み応えがあります。
(「待つ花」だけ初期のような作風、ストーリー性より肌色重視です)



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▽「眠り男と恋男」
官能的で日常的な、魅惑の短編集

全話共通で受けが乱れに乱れているのと、そんな中にも愛をたっぷりと感じられることと。

登場人物の数に比例して、あまりにも多くの魅力が詰まった本作。

ぜひ旅をするような気持ちで、彼らの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。








▽ドラマCD(出演、ジュード:佐藤拓也/ロイス:新垣樽助)好評発売中

2019年11月現在、ドラマCD化もされております。

BLCD多数出演の佐藤拓也さん、新垣樽助さんがジュードとロイスの声優を務めます。オリジナルエピソードも収録されており、彼らの恋の行方からますます目が離せません。



▽マリンエンタテイメント公式サイト


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