2012年発売、SHOOWA先生ワールド全開の「パパ’sアサシン。〜龍之介は飛んでゆく。〜」
元アサシン的な色男パパダニエルと、過去を何も知らされずにすくすくと育った息子龍之介の、セクシーでラブリーな物語。
思春期龍の秘密のラブは果たして……?
読み応えたっぷりの深くて面白いストーリーに、ギャグ要素がふんだんに練り込まれた最高なBL漫画。
パパ’sアサシン、超名作です。
あらすじと感想をご紹介します!!
高校生の龍之介は、常にモテる男前の父・ダニエルと二人暮らしをしている。龍之介は知らされていないが、龍之介は14年前、ダニエルがある女性から託された子供だった。気の置けない友達もいて、楽しい毎日を送る龍之介。けれど、ダニエルには言えない秘密を抱えていて…!?
【HertZ Series】
https://bs-garden.com/product/papasassassin-ryuunosuke/
発売:2012年03月01日
Contents
▽登場人物
ダニエル:常にモテる男前な外国人。ある女性から突然男児を託された、それが龍之介。
龍之介:ハーフの高校生。自分の出生について本当の事は聞かされておらず、ダニエルが実の父ではないことも知らない。
ヴィス:イタリアとデンマークのハーフ。公園で号泣する龍を見かけて声を掛けた。輸入家具販売の仕事をしている。男前。
~大人たち~
アチャコ:ダニエルの元妻。
シャーロット:あだ名シャー。龍のゲイ友で、ダニエルとも仲良し。
涼子:ダニエルの今カノ。
~龍のともだちたち~
ゴン:学友。ヤり友。
アーヤン:学友、ヤり友2。おばあちゃんがブラジル人のクオーター。
▽衝撃スタートなパパ’sアサシン。ストーリー
強烈にラブで激熱なストーリー。
各章毎にご紹介します。
【パパ’sアサシン。~息子さんムラムラしてます。~v】
「ミスター!どうかこの子を受け取って!」
そう言って、川に逃げた男へと橋の上から咄嗟に男児を投げてよこした女性。
直後、彼女の居る場所もろとも爆発に巻き込まれてしまう。
超超超衝撃の始まり方です。
彼女は誰なのか、ここはどこで、いつで、経緯として何があったのか。
何一つ明かされぬまま、時が経った先のミスター(=ダニエル)が住む世界が描かれていきます。
ダニエルはその後日本へと移住。
当時投げて寄こされた男児は龍之介と名付けられ、すくすくと育ち今では高校生に。
龍にはゴンやアーヤンといった友達も出来て、元気に男二人親子として暮らしています。
そして龍は自分の壮絶な生い立ちの事、実の親子ではない事など、出生に関する情報を一切教えられておらず、母親は交通事故で亡くなった、と聞かされています。
そこが今後、龍のラブの部分を大きく狂わせることとなっていきます。
そんなこんなで、龍はパパダニエルの過去も経歴も本当のことは何も知らないまま、平和でちょっと下半身ふしだらな学生生活を過ごすこととなります。
【パパ’sアサシン。~パパ 呼び出されます。~】
ある日の事。
ダニエル、掃除に入った龍之介の部屋でゲイ雑誌を発見。
悩むダニエル。
しかし後日、学校から呼び出され、なんと龍が女子生徒と教室でHをしていたという。
龍のゲイ疑惑が晴れたことに対して、ついダニエルがいらぬ言葉を口にしてしまう。
なんと教室でアーヤンとヤっていた龍之介。
呼び出されたダニエル、つい
「お前がフツーの男でよかった ゲイだったらどーしよーかと思ってたからさ」
と話してしまいます。
事実、ゲイである龍はこの言葉に深く傷つきます。
なぜかというと彼はバイ寄りのゲイで、なんとパパであるダニエルに対して密かに恋愛感情を抱いていたからです。
龍はテンション下げのままアチャコと外食をして、相談に乗ってもらったり。
けれども本当の事を話すわけにもいかないので、アチャコとの会話は凄く抽象的なものになってしまいます。
帰り道、『血の繋がった実の父親を好きだなんて嫌われちゃうよ……』と大ナイーブになった龍は、公園へ行き大号泣するのでした。
――――と、ものすごく波乱な龍之介の恋愛。
大好きな父に告白は愚か、ゲイであることを否定され、気持ちはボロボロ。
そうして公園で泣くのですが、この事が後の奇跡の出会いへと繋がります。
出生もさることながら、たまたま再婚女性が芥川さんで「芥川龍之介」になっちゃったり、パパを好きになっちゃったり。
いろんなことが起こりまくる、それが龍之介の人生。。
【パパ’sアサシン。~若さぐるぐる 天使降臨~】
少し吹っ切れた龍は、ダニエルの事は諦めたそう。
後日、ダニエルの彼女の涼子と三人で食事をすることに。
食事会を快諾したものの、心は擦り切れそうなほどに傷んでいて。
再び公園で号泣する龍の前にハンカチを持って現れたのは、なんと若い時のダニエルそっくりな外国人男性だったのです。
この衝撃の出会いに、目を丸くして鼻を垂らして語彙力を無くす龍。
背格好や雰囲気がかなり激似だったらしい彼が、今後龍と良い感じになっていき、ダニエルと龍の仲にも大いに変化をもたらします。
そして途中、一度目の公園号泣の後に風邪を引いて寝込む龍と付き添って看病するダニエルの話が出てくるのですが、そこも日本来てからの過去に纏わるダニエルパパの良いお話となっています。
ダニエルがいかに龍を大事に思っているかが分かります。
ダニエルは完全に親子愛なのに対し、龍はもろ性的興奮の恋愛感情という。。
なんとも龍は壁の大きさが凄いことになってますが、それゆえ心から応援していきたくなります。
【パパ’sアサシン。~心のアナ ジュリアナ●京~】
彼の名前はヴィス。
近くのビルで輸入家具の仕事をしているという。
龍はヴィスから食事のお誘いを受け、二人の距離は次第に近づいていく。
公園で出会った二人は、一緒にシャーおすすめのクラブへ行ったりとどんどん親密に。
そしてそのクラブ帰り、どちらともなく告白をして、ついに体を重ねるのでした。
これは果たして新しい恋なのか、それとも彼にダニエルを重ねているだけなのか。
完全に後者ですね。
ヴィスとのHシーンで、龍はガンガンにダニエルの事を考えてしまっています。
吹っ切れたわけでは全くない、相変わらずの恋患い龍です。
【パパ’sアサシン。~パパのアナちらり。~】
パパに隠れて、逢瀬を重ねる龍とヴィス。
ある日龍の家に二人で向かうと、ダニエルが早めの帰宅をして、遭遇。
一方でダニエルには、龍に対して過保護にならざるおえない理由があったのだ。
ついにヴィスとダニエルが遭遇してしまいます。
”友人”と言い張る龍ですが、ダニエルは違和感しか感じてない模様。
そしてダニエルの元へと「親権を譲れ」的な非常に不穏な手紙が届きます。
血縁が無いことでかなり不利そうではありますが、そもそもなぜ十何年も経ってから親権を奪いに来たのか、、
闇が深い。。
【パパ’sアサシン。~パパ THE パニック 2011。~】
対策するに越したことはないと、龍のスマホや私物に盗聴器などを仕掛けるダニエル。
夜、ヴィスと合流した龍を付けていくダニエルだったが。
ヴィスのマンション前で二人の会話をイヤホンで盗聴していると、なんとキス音が聞こえ始めます……。
生々しい~~!
生々しさに、ダニヨル、超ショック。
これを聞いたダニエルは結構な強硬手段に出ますので、ちょっと凄いです。
それに、従順に従う龍があまりにも良い子……
龍がダニエルの事を好きだからこそ成り立つ親子なのかなと思いました。
ダニエルの言いつけ、守ろうとすごい頑張る龍が健気。
パパ’s アサシン。~龍之介は飛んでゆく。~【電子書籍】[ SHOOWA ] 価格:681円 |
【ダニエルのセクシー日記】
ダニエルの一日が、so sexy!! という掛け声と共に描かれる。
寝起きのフットワーク、シャワー、肉体労働。
その全てがsoセクシー。
止まらない、繰り返されるダニエルセクシー節。
それを見て毎日ムラムラ息子。
▽「パパ’sアサシン。〜龍之介は飛んでゆく。〜」ダニエルと龍、それぞれが抱える大きな問題
親子として生きる二人ですが、それぞれが言えない事情を抱えながらも明るく懸命に生きています。
二人の悩みの種、そしてそれがどう作品を動かしていくのか、書き上げていきたいと思います。
○ダニエル!!!
タイトルからも分かるように、もしかしたら元殺し屋かもしれない人物。
海外で生まれ育った外国人で、今のところ過去のエピソードはオープニングの数ページ分だけ。
謎が多いが、現在は建設現場で力仕事をして一生懸命な仕事人。
たまに株?海外との現金取引?のようなものをPCでやっているよう。
そして問題点について、おそらく誰かから逃げている。
ゆえに龍に雑誌モデルの話が度々来ても、全て断るよう徹底して話している。
女性と長続きしない理由は、相手の事を愛しているというよりも『龍の母親になる人を求めている』から。
ということで、龍がメディア等へ露出することを極端に避けているようです。
全てが龍が主軸で生きている、とても良きパパダニエル^^
そしてかなり気になる龍之介の出生。
次、絶賛苦悩中の龍についてあげていきます。
○龍之介!!!!
自身の出生について知らされておらず、母は交通事故で亡くなったと聞かされている。
父の再婚相手の苗字が芥川だったせいで、名前は芥川龍之介。
10歳の頃父への恋愛感情を自覚し、その気持ちを膨らませたまま現在に至る。
ゲイであることは父には隠してあり、ゴンやアーヤンは知っている。
ゴン・アーヤンはヤり友で、シャーロットはゲイ友。
父も相当な秘密を抱えていそうですが、龍も別ベクトルでかなりの事情を持っているようです。
せめてゴン・アーヤン・シャーロットという理解者が身近に居ることが救い。
ただ、よりによって最も愛されたいダニエルからは「息子がゲイじゃなくてよかった」発言をされてしまいました……。
どちらの問題も解決して、二人同時に幸せになれる形を見つけられることを祈っています……!
▽「パパ’sアサシン。〜龍之介は飛んでゆく。〜」アクション映画さながら、そしてハートフルドキュメントへ
一体何本の名作を生み出せば気が済むのでしょうか、SHOOWA先生は。
テイストの全く違った作品をいくつも作りあげ、さらにそれらがとんでもなく面白いという。
本作、あまりにも面白さが神。
「パパ’sアサシン。〜龍之介は飛んでゆく。〜」、キャラを心から応援してしまうような、そんな背景のある物語です。
気になる二人のこれからを、ぜひ追ってみてください!