【感想】蔓沢つた子先生「くさかんむりに化けると書いて」

「やっと一緒に住む気になったか?」「何度断ったら気が済むの、卓は」
お隣さんで、恋人同士。だからこそ同棲は絶対できない。消せない過去の自分が戻ってきてしまいそうだから…。
マイペースで絶倫なイケメン卓(たく)がコンプレックスの塊な元オネエひろむを愛して愛して愛し尽くす、いちゃらぶスローライフ♪
卓とひろむの出会い編他、ヤンデレで不器用で、時々イラッとするけどどこかかわいくて目が離せない、新妻くんの恋のお話も収録!

【収録作品】 くさかんむりに化けると書いて/くさかんむりは雷にうたれて/新妻くんと新夫くん/新妻くんと新夫くん おかわり

http://www.takeshobo.co.jp/book_d/shohin/2324301

著者名:蔓沢つた子 発売日:2014年03月17日 定価:本体657円+税



https://twitter.com/tsutaco25/status/543331262086135808
蔓沢つた子先生Twitter


Contents

▽登場人物

性格も趣味趣向もバラバラな四人の、関係性をご紹介していきます。マンガ本編最後には四人の意外な繋がりも描かれます。


卓(たく)[攻]…ひろむの隣の部屋に住む、デザイン学校二年生。イケメンだが、正直かつ少々強引な性格


ひろむ[受]… 高校卒業後、昼は工場、夜はオカマバーで働いて学費を稼いだ。そのため、 咄嗟にオネエ言葉が出ることがある 。要領よく、また人当たりも良い。一年生ではあるが卓より一つ年上。とにかく嫉妬深いのが悩みの種。


新妻[受]…前髪長めのギザっ歯。コンビニでバイト中、酔った翔に絡まれたことで翔のストーカーと化す。スマホの打ち込みが豪く早い。


翔(かける)[攻]…ホストクラブ勤務。新妻にストーキングされた挙句、合鍵まで作られてしまう。女性には全く反応しないため、枕営業が出来ない。新妻の匂いが好き


他、ジムトレーナーの荒田さんや、ひろむの弟真央が登場。



▽ストーリー

可愛らしい2カップルの、甘々ストーリーを各章ごとにご紹介。


/くさかんむりにけると書いて ひとつぶめ

同棲を提案する卓に対し、頑なに拒否し続けるひろむ。ひろむは一緒に住む事に関して、ある心配事を抱えていた。

過去にひろむの嫉妬が原因で別れてしまったことがあり、一緒に暮らす大変さを身をもって感じたひろむ。それゆえ臆病にならざるおえなかった。

いくら抗っても、ひろむは小柄ゆえ、大柄の卓にすっぽりと包み込まれてしまう。対格差カップル素晴らしいです。


/くさかんむりにけると書いて ふたつぶめ

突然ひろむの元を訪ねてきた弟の真央。ひっきりなしに自信のスマホへと掛かってくる電話には出ないし、何やらワケありのようで。

ひろむも卓も、自分たちの関係を通して、真央の後押をしていく。

度々真央の目を盗んで事を致そうと試みる二人だったが、最後には見られてしまい……


/くさかんむりにけると書いて さんつぶめ

体力の無さを実感して、密かにジム通いを始めるひろむ。そこで出会った荒田というトレーナーはどことなく同族の匂いがして……?

美味しい噛ませ犬が登場。

ジムというのは素晴らしいシチュエーションだな、とこの作品を読んで思いました。


/くさかんむりはにうたれて

デザイン学校入学当時のひろむ。親睦会に参加すると、そこに絡んできたのは上級生の卓で。

少し遡って二人の出会い編になります。

ひろむの嫉妬深さはさることながら、卓もかなり一途。

最後に載っている4コマ漫画がかなり面白いです。現在の卓が、三日間の出張のためにひろむのパンツを回収しようとするお話。



/新妻くんと新くん

新妻という、不法侵入ストーカーが現れる。彼をこのようにしてしまったのは翔のようで……

勝手に合鍵を作るという新妻の自由奔放ぶりにキレた翔が、新妻を体で捻じ伏せていく、というお話。

ここからホスト×ストーカーの回です。


/新妻くんと新くん おかわり

意外にもアウトドアな新妻。今まで特に弱点を見せなかった彼だったが、あることが引き金となり、首つり未遂にまで発展する。

スマホを高速で打つ彼ですが、そんなスマホは実は仕事道具で、これが無いと非常に困ったことになってしまいます。

新妻の家に二人で行ったり、風邪を引いた新妻を翔が看病したり。エピソード盛り沢山です。


/新妻くんと新くん なんだかんだでらぶらぶ編

コンビニおでんを嬉しそうに頬張る新妻に対して、翔はある事を思い付く。

きりたんぽが別のものに変わるイリュージョン。肌色多めです。


/新妻くんとひろむの意な関係

共に食卓を囲むひろむと新妻。何やら相談をしているようで。

意外な四人の繋がりが明らかになります。不詳だった新妻の年齢も。

なんとも微笑ましい、丸く収まる最終話です。



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▽蔓沢つた子先生、作風について

○作画が安定していて、かつ絵も字も各ページ沢山で、情報量が多めです。それでいて登場人物の性格も見た目も、それぞれ特徴的で区別が簡単ということもあり、物語に入り込みやすいです。

○キャラクターの顔は目が大きく(特に受け)、全体的に丸みのあるキラキラとした可愛い系の作りです。そんなふんわりした絵柄ですが、各話にしっかり肌色シーンがあって、しかもかなり内容が濃いです。

○キャラクターを際立たせるエピソードが満載。内容にじめじめした陰険な雰囲気は無くカラッとして明るいのと、各話起承転結がはっきりしているので、楽しく読み進めることが出来ます。



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▽おわりに

2カップル楽しめちゃうボリューミーな本作。どちらも素敵なキャラクター達なので、ぜひ見てみて下さい。
彼らの出会いからラブラブエピソードまで、酸いも甘いも詰まっています。非常におすすめの一冊です。






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