【感想】ヨネダコウ先生「囀る鳥は羽ばたかない1」

元警察官の新顔百目鬼×自他ともに求める超ドM若頭矢代の、極道を舞台にした893BL。

今夏に映画も放映され勢いが止まらないヨネダコウ先生作品「囀る鳥は羽ばたかない」第一巻の感想をご紹介します。


男社会の泥臭さのなかに、異彩を放つ矢代という男。

彼がこの世界でどのように生きて、また百目鬼と出会いどのように変化していくのか

アングラものや裏社会、超ドM受けなどが好きな方、そしてなによりストーリー重視の方は必見です^^


ドMで変態、淫乱の矢代は、真誠会若頭であり、真誠興業の社長だ。
金儲けが上手で、本音を決して見せない矢代のもとに、
百目鬼力が付き人兼用心棒としてやってくる。
部下には手を出さないと決めていた矢代だが、
どうしてか百目鬼には惹かれるものがあった。
矢代に誘われる百目鬼だが、ある理由によりその誘いに応えることができない。
自己矛盾を抱えて生きる矢代と、愚直なまでに矢代に従う百目鬼。
傷を抱えて生きるふたりの物語が始まる──!

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発売日:2013年1月30日


Contents

▼「囀る鳥は羽ばたかない1」、登場人物


893の世界に生きる、色濃い面々。


矢代百目鬼影山久我、以外の男性陣は少々関係が複雑なので(××会傘下の~等)、序盤で軽く把握しておくとより内容に入り込めるかなと思います。

何処の組の誰、というのが後の展開に生きてくるので、重要です。


saezuru_相関図

(自作相関図。画像ですのでスマホでご覧の方は少しアップして頂けると見やすいかと思います)


矢代… 道心会傘下、真誠会若頭。自他共に認める、ドMで変態


百目鬼(どうめき)…元警察官で、現在矢代の付き人兼用心棒。少々天然なところがある。過去のトラウマから、下半身にある問題を抱えている


影山…不器用な内科医。矢代とは腐れ縁で、現在も親交がある。縫い跡やケロイドが好き


久我”狂犬君”。その名の通り、キレると手に負えない。どこぞのホストかと間違われるような綺麗な顔立ちをしている。


以下、準レギュラー陣。


三角…親団体にあたる道心会執行部、若頭。松原組の下っ端に回されていた矢代を偶然拾って以来、親のように何かと気にかけてくる


七原矢代の部下。頭である矢代の情事を、興味本位で覗くことがあるよう。


平田真誠会組長。三角に目を掛けられている矢代のことを良く思っていない


竜崎松原組組長矢代とは仲が悪い


▽2020年8月現在、ドラマCDが1~6巻まで出ています。

ドラマCD公式サイトにキャラクター絵と人物紹介がありますので、参考にしてみて下さい。


「囀る鳥は羽ばたかない」ドラマCD公式


ヨネダコウ先生Twitter
矢代と百目鬼

▼「囀る鳥は羽ばたかない1」、ストーリー


映画も漫画も大ヒットとなった「囀る鳥は羽ばたかない1」

大人の魅力に溢れたディープな本作のあらすじと感想をご紹介します。

【Don’t stay gold】


矢代に呼び出された影山が目にしたのは、組の人間を相手に暴れまわる久我の姿だった。


久我の胸部には、幼いころ親に焼かれたという根性焼の跡が無数に広がっていた。


喧嘩っ早さに反して頭はキレる、体は傷だらけで顔の作りは整っている。

そんな数々のギャップをはらんだ久我を、影山はつい”そういう目”で見てしまうのだった。


初っ端が百目鬼×矢代ではなく、サブキャラクターの二人であることに初めは驚きました。

しかし、この話が後々にしっかりと生きてきます

腐れ縁という矢代と影山の関係性に、注目です。

【囀る鳥は羽ばたかない 第1話】


例の如く事に勤しんでいた矢代だったが、同意ではないと勘違いした新顔が止めに入る。

彼の名前は、百目鬼力(どうめき・ちから)。


「俺は、俺自身も傍観者にすることで 俺を保ってきた」

「綺麗だと思ってました 頭のこと」


すぐさま彼の目つきが気に入った矢代は、さっそく百目鬼に手を出すが。


ここで百目鬼の秘密が一つ明らかになります。

実は彼には以前大きなトラウマを抱える出来事があり、下半身が全く反応を示さなくなっていました。


ドMネコ矢代は、それを知ってもなお百目鬼の下半身にちょっかいを出すのでした。


また矢代と三角で酒を飲み交わす場面もあり、少しずつ組を取り巻く勢力図、そして巻き起こる跡目争いについて明らかになっていきます。

【囀る鳥は羽ばたかない 第2話】


ある日、見知らぬ若者が怯えた様子で事務所のビルの前に立っていた。

どうやらその人は、百目鬼の知り合いのようで。


「頭は 俺が今まで 生きてきた中で

会ったことも 見たことも ないような人ですから」


組事務所前の電柱に座り込む若者、ベリーショートの髪型のその人は、なんと百目鬼の妹でした。

百目鬼と妹の関係はとても複雑で、二人の間には暗くて残酷な重い過去があります。


百目鬼の”もう一つの秘密”を知る人物=妹の登場に、矢代は意外な動きを見せます。

こちらの第2話では百目鬼と矢代、それぞれの意外な一面が垣間見えることとなります。

【囀る鳥は羽ばたかない 第3話】


組の集会に召集される矢代たち。

親団体幹部の三角が親し気に話し掛けてくるものだから、当然現真誠会組長の平田には良い目で見られない。

そんな中、矢代の傍に百目鬼の姿は無くて。


男 おとこ オトコ


百目鬼に暇を言い渡した矢代だったが。

全くもって近くはないように思えた二人の心の距離が、少し変わるような第3話。


 

【漂えど沈まず、されど鳴きもせず】


高校生の時のこと。

義理父からの家庭内暴力の跡を長袖で隠す矢代

そんな無数の傷にたまたま気付いてしまったのが、クラスメイトの影山だった。

医者の息子の影山は、手当てのために傷を見せろと言ってくる。


高校時代の矢代と影山、出会いの話。

既に男性に組み敷かれることを覚えていた矢代は、しかし恋愛対象が男なわけではない、と思っていた。


後にずっと引きずる、影山という存在

矢代に”一人であること”を自覚させた罪深い男の事は、大人になってからも矢代の頭から離れることはなかったのです。


悲恋なのでしょうか。

全く意に介さず、辛いという素振りを見せない矢代から、百目鬼は何を読み取るのでしょう。


▽「囀る鳥は羽ばたかない1」、魅力的な世界観


ディープな世界の、沼のように深い様々な魅力。

特徴的な部分をいくつかご紹介します。


一、男臭くも、美しい


囀る鳥は羽ばたかないは893社会が舞台ということもあり、登場人物はほとんどが男らしい男

しかしその中で、矢代というアンニュイで小奇麗な男がいます。

彼は時として雌にもなるし、頭のキレる危険人物にもなりえる。

そのアンバランスな危うさが、読者が彼に心惹かれる要因かもしれません。

一、中身がどうにも似つかわしくない、893百目鬼


初っ端から押さえつけられている(本人は戯れている)矢代を助けてしまうように、正義感が強く、更には行動力もあります

常に表情が硬く感情の読めない彼ですが、「頭は美しい人」という信条のようなものだけは、確かに口にしていました。

一、変化する勢力図


跡目争いが始まろうかという本作。

三角に可愛がられつつも、矢代を良く思わない人間から色でのし上がったと囁かれる。

なんとも悪目立ちする矢代だが、自身の身の振り方にもそれなりに考えを巡らせている様子で。

そういった相関図の変わり様も、気になるところです。


ヨネダコウ先生Twitter
百目鬼

▼「囀る鳥は羽ばたかない1」、最後に


泥臭い中にある、矢代という男の生き方

それは他人から見ればあまり褒められたものでは無いのかもしれない。

が、そんな彼の事を百目鬼は心から「綺麗だ」と言う。


二人の出会いが、それぞれの気持ちにどう変化をもたらすのか

見たら引き込まれる沼地のような「囀る鳥は羽ばたかない」を、ぜひその目で確かめてみてください。


 



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▽他「囀る鳥は羽ばたかない」メディア展開リンク集


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▲2020年8月現在、コミックス第6巻まで絶賛発売中。

他、ドラマCD1~6巻と、今夏には映画が公開されました。

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