羽仁が院長を務める『ハニ歯科クリニック』は、はっきりくっきりツブクリ(つぶれそうな歯科医院)だった。
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腕は悪くないのに、経営カン0(ゼロ)、収入はなんと時給480円!
そんな悲しい羽仁に、更に恩師がオレ様歯科医師のタマゴ・森澤を押し付けて来る!
ますます目減りする時給と、いばりんぼのイケメン後輩。
羽仁医師の明日と時給の行方は――!?
未散ソノオが描く、あちこち不器用な歯医者さんたちのハニーデイズストーリー!
発売日:2016年1月30日 未散ソノオ:著 本体価格:600円(税抜)
Contents
▽登場人物
羽仁先生…つぶクリを経営する歯科医。腕は悪くないが、営業が下手。
森澤くん…発言が正直なイケメンで、歯に衣着せぬ物言いをしてしまうことなどにより、配属先の歯科から厄介払いをされてしまう。
西條さん…京都生まれ京都育ち、身長190cm。ハーフ顔の日本人。とても気さくなリア充。
→西條さんは応援係のような感じで、アシスタント的存在です。
▽ストーリー
厄介払いをされた森澤くんが、羽仁歯科クリニックへとやってくるところから物語は始まります。各章ごとの内容を詳しくご紹介。
#1
羽仁歯科クリニック、自称つぶクリ(つぶれそうクリニック)へとやってきた森澤くん。仕方なく二人で患者が来るのを待つも、来客は予約の一人のみ。さっそく森澤くんに受付を任せてみたところ、なんと彼は人見知りのようで。
二人の性格がすごくよくわかる第一章です。表紙みたいに笑っている羽仁先生は現時点で何処にも居らず、びっくり。裏表紙の羽仁先生がいっぱいです。
章の最後、無表情の中にある羽仁先生のあどけなさに気付いちゃう森澤くん。
#2
「人間関係煩わしいから開業した」と言い放つ羽仁先生。しかし業績は低迷したまま。そんな中、宅飲みを誘われて森澤宅へとやってきた羽仁先生だったが。
羽仁先生が可愛く見えてきた森澤くん、ちょっとだけ行動を起こします。
突然来るデフォルト絵の可愛さが最高です。バランスの崩れ具合が非常に愛くるしい。
#3
「巨乳の歯科衛生士さんを雇おう」と言いだす羽仁先生。そこで採用担当を任された森澤くんが選んだのは、西條という身長190cmの男性だった。
羽仁先生と西條の会話に上手く入れず、無駄に嫉妬したことを悔やむ森澤くん。
#4
三人態勢になり、なんとか黒字に転換する。やっと幸せが訪れたかと思った矢先、なんと羽仁先生の家が水浸しになるという被害にあってしまう。
困った羽仁先生は、森澤くん家に居候することに。この辺りからは西條さんに森沢くんの想いが気付かれています。キューピットになりたがる西條さん。
#5
お世話になっている大学教授に呼び出されたかと思えば、森澤くんを悪く言われて気分を害した羽仁先生。クリニックに帰り、森澤くんの前で口から出た一言が、西條さんにはかなり感動的なフレーズに聞こえたようで……
勢い余って二人にホテルの予約を取り付けてしまう西條さん。大接近する二人の、くっつくのかくっつかないのか、という所。
#6
シャワーを浴びて、ベッドへと転がる二人。不器用過ぎる森澤くんの、想いの行方は如何に。
人の話を聞かない人しか出てこない本作品。羽仁先生はこの大事な場面でも、お茶目なことにそれを発揮します。
いつも以上に切羽詰まった必死な森澤くんと、意外にも大人な表情を見せる羽仁先生、というシーン。必見です。
▽未散ソノオ先生、作風について
○線がとても細く、”一本線で描いてます”感がすごいです。あっさりしている中に味があって、読むのが非常に楽しくなる絵です。
○各ページの中に2割程出てくる、デフォルト絵の愛嬌ったらないです。素晴らしい愛くるしさです。表情やシルエットのぺちゃっとした感じがとても良いです。
○羽仁先生は基本覇気の無い目なのに、表情豊か。描き分けがすごい。
○吹き出しの位置が独特で、テンポの良いリアルな会話が楽しめます。
▽感情表現豊かな「デンタルダーリン」
4コマ漫画のようなノリの良さがあり、シュールな笑いもあり。”開業から再建まで”と、まるでお仕事漫画のような本作ですが、しっかりと恋が同時進行していくことも魅力の一つです。
そして羽仁先生のキャラクターがとにかく面白いです。
ぜひともハニ歯科クリニックの今後、そして恋の行方を覗いてみて下さい。

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