【感想】「出張ホストNYUBOY」紫能了

「N」ノンケ
「Y」ヤリチン
「U」内気な
BOYが、あなたの心と体を満たします。
女性専門性感エステの出張ホスト・圭の前に現れた客は、男子学生・成瀬だった。女性にするようにシてほしいという彼に、圭は「原点回帰コース」を施し切り抜ける。騙した成瀬に誠実なサービスはできないから。けれどサービスを希望する彼には、哀しいほどに切実な想いがあった──。
ギャグとシリアス&エロが交錯する、大注目・紫能了のデビュー作!!

http://www.c-canna.jp/c/item/82960029086060000000.html

発売日:2018年6月27日 本価格:660円(税抜)

紫能了先生Twitter

Contents

○「出張ホストNYUBOY」登場人物


成瀬コウジ…現役学生。ある悩みを抱えている。通称ナルちゃん。

片桐圭…女性専用性感エステ店の出張ホスト。

他、店長や女性客等が登場。


○ストーリー

各話毎のざっくりとしたあらすじと、見所をご紹介。


~原点回帰コース~

仕事の依頼を受けた圭が街中に立っていると、予約していた”鮎川みゆき”だという青年が現れた。

 「俺にも女性客と同じサービスしてくださーーっい!!!」

初っ端からナルちゃんの顔芸が炸裂します。
圭から大人のおもちゃを使った赤ちゃんごっこを強いられ、ギャグシーンが連発。

序盤からテンション高く物語が進みます。


~メレンゲ生殖コース~

後日、ナルと圭は偶然駅でぶつかり、そのまま互いのバッグを取り違えてしまう。

 「こんなに優しく接してくれるんだ……って」

圭のデ○ルドと、ナルの料理教室の道具が入れ替わるというハプニングが発生。再会した二人は、ある約束を交わしたのだった。

ナルちゃんが女性専門店に来た理由は一体何なのか。次第に彼の心の闇が明らかになっていきます。

この章のラストに一人でするナルちゃんのシーンがあるのですが、臨場感があって立体感があって、とても凄い。凄く間近で見てる気になります。


~カウンセリングコース~

一か月後、ホテルにてナルに再サービスを行う圭。

 「ゲイ…なの?」

ナルちゃんの過去――――ノンケ男子ばかり目で追ってしまう、告白失敗、ホモになると酷い目に合う、”自分は病気だ”。

自分がゲイと言われても、ピンと来ない。普通の男女のような恋愛が、したい。

優しい言葉をかける圭に対し、感情を爆発させるナル。

「今この3時間は、自分に素直になって。ここは、それが当たり前の空間だから」と、圭はナルを言葉で包み込む。


~性感エステコース~

圭は仕事だということを忘れて、ナルとベッドで寄り添う。

 「圭の気持ちに浸りたい」

初めて体を重ねた二人。今だけは恋人、とナルは少し積極的になります。圭も、自分の気持ちを吐露します。心の中に孤独を抱える二人は、近づくのか、それとも。

ナルちゃんの色気がとんでもなく爆発します。


~最終回~

帰り道、コウジが普段感じている視線を、圭は初めて体感する。

冷えた視線を送る人、自分たちを指さして笑う人、SNSに『リアルのホモ初めて見たヤバイ』と書き込む人――――。それらを吹っ切るようにして、ナルと手を繋いで新宿を突っ走る圭。

ナルが”普通であること”や”男女カップル”に酷く固執する理由を、身を持って体感した圭は、それらを払拭するべく行動に出るが……。

ナルにとても大切な約束をさせて、圭は姿を消します。この約束の意味が、章の後半で明らかに。

事務所にて憔悴しきった圭の前に現れたのは、店長が呼びつけたナルの姿だった。

「大好きな人と一緒にいたい」。約束通り、自分の気持ちに素直になったナルは、圭に告白をする。

とても綺麗なラストシーン。幸せそうな二人で、ページは締めくくられます。


~その直後~

圭の部屋に初めて来たナル。

仕事をするだけの生活を長年送っていた圭、部屋が超殺風景。夜のグッズだけが一か所にひしめき合うように置かれていて面白い。


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○紫能了先生、作風について

・作画が非常に安定している上に、人物絵がとても美麗で整っています。本作は特に、受けは丸目で攻めは横長目で、見た目も関係性もはっきりとしていて分かり易いです。

・ ギャグシーンに全力で、 かなりテンション高めで物語が進がみます。

・一巻終わりなのが悲しいです。二人の背景や過去がダイジェストのように早い紹介だったのが少々寂しく感じました。もう少し二人の事を掘下げてくれたらな、とつい思ってしまう。

ベッドでのシーンが臨場感溢れまくりです。間近で見ているかのような近さで描写されます。


○出張ホストNYUBOY。笑えて泣ける、感動作

考えさせられるシーンが後半からかなり詰まっており、泣けます。

男が男を好きという事が、どういうことか。

キャラクターの底なしに深い言葉が、読み手に語り掛けてくるようです。

BL作品を多く読んでいる人にこそ、改めて響く事があるかもしれません。

紫能了先生初コミックスというのが信じられないくらい、深いことが描かれていました。


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