あいつにめちゃくちゃに抱かれることばかり、考えていた。
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ホストのミヤは、女を抱くと男に抱かれたくなる。
そんな時に思い描くのは、片想いしている同僚・タマの顔だった。
想いを伝えるつもりはない。なのに──
「俺が抱くんじゃダメなの?」
抱かれたら、欲が募ってしまった。
一方のタマも、抱かれ馴れた従順なミヤに苛立っていく。
そして、彼を仕込んだのはオーナーだと知り……。
Contents
▽登場人物
ホストクラブ Borzoi-ボルゾイ-。お店の中とプライベートと、三人の関係は深く絡み合っていきます。
ミヤ…Borzoi No.2ホスト。タマへの想いをひた隠しにしている。ホストとして売れるよう、オーナーに教え込まれた。
タマ-珠樹-…店では明るいキャラのNo.5ホスト。弟と二人暮らしで、店までは通いで勤務している。ある日、ミヤが男と接触している場面に遭遇。その日を境にミヤへの態度が急変する。
天王寺邑(ゆう)…Borzoiオーナー。お店が全て。昔、補導されそうになったミヤを偶然拾った。
▽ストーリー
『女を抱くと男に抱かれたくなる』というミヤ。彼がそうなってしまったのは全てオーナーのせいであり、またその事を知る前に、タマはミヤと行きずりの関係になっていく。
ミヤとタマの仲は、拗れに拗れていきます。
以下、各章ごとの流れをざっくりとご紹介。
青くて苦い1
接客中でも、普段からの仲の良さが伺えるタマとミヤ 。しかし夜、酔ったタマがミヤにキスをしてきて……。
――――俺は珠樹が好きだ
誰と寝ても、最中に思い浮かべるのはタマの事で。
ミヤの切ない表情が辛そうったらありません。
青くて苦い2
出勤日、いつも通りタマと顔を合わせたミヤは、彼の素っ気ない態度が気になって。
そして、過去の話。邑に拾われたミヤは、彼によって”男を欲する体”へと作り変えられていく。
「俺がミヤを抱くんじゃだめなの?」
自分の癖を歪曲して話すミヤ。その自暴自棄にも似た態度を一括するように、タマが「なら俺でいいじゃん」と言い放つ……という驚きの展開に。
また、「女側でありたい」という自分の気持ちに気付いてしまったミヤの、その頃の邑との奇妙な共同生活が描かれます。
青くて苦い3
気持ちを押し殺したまま、タマと関係を持ってしまったミヤ。それからも時折やるだけの関係は続いていく。しかしある時、偶然ミヤと邑の噂を耳にしたタマは……。
イライラする――――
最中、男を悦ばせる事ばかりしかけてくるミヤ。そんな彼に対して、体を重ねる度にタマの苛々は増す。
青くて苦い4
いつになく手荒な形でミヤを捻じ伏せたタマ。別れ際、ミヤはある言葉を必死の思いで口走る。
塞き止めていた想いの、行き場を求めるミヤ。辛いシーンです。
青くて苦い5
不仲のまま迎えた、ミヤ生誕祭当日。華やかに終えたかと思いきや、体調を壊して裏で倒れていたミヤを、タマが発見する。
「抱かれたら欲が出た」
愛情表現がとことん不器用な二人の、精一杯の想いの丈は果たして。
青ゆえ甘い
100回○○して。
「青くて苦い5」のとあるシーンの続き。素敵な描写が満載です。
タマ
▽ホストもの
ということで、仕事の描写があり、女性を接客するシーンが出てきます。更に、過去とはいえ女性との関係を持つ描写、そしてミヤに至っては、見ず知らずの他人である男性ともそういった場面があります。
乱れている、という言い方は良くないかもしれませんが、邑とミヤは結構乱れまくってます。
しかしながら、一部を除いて気持ちの面では相手にしていないので、 意外にも嫌悪感を感じることはないかと思います。
過去の事は過去。これは彼らの仕事の一環である。と、読んでいて自然とそう考えられるので、「タマとミヤ以外の描写はあまり見たくないな」というよりも、むしろそういった背景があることできっと燃えます。
▽画風について
切れ長の目が、辛い表情も冷めた顔も、より強く引きたてます。
目鼻立ちのくっりきした容貌に説得力があって、その気迫から目が離せなくなりました。
特に切ない顔というのが本当に切実で、ぐっと伝わってくるものがあります。本作にはそれがたくさん登場します。
普段はクールなミヤの切羽詰まった表情、とても良いです。
また、「白くて細いんだろうな」と一目で思わせる、骨ばって薄そうなミヤと、背が高く筋肉質で骨太なタマという、体格差の描き分けが素晴らしく表現されています。男らしくも艶っぽい絵柄です。

▽「青くて苦い」、激動の恋は
一冊の中で、兎に角様々なことが起こります。二人の関係性の変化だったり、感情の変化だったりと、読み手もかなり気持ちを揺さぶられてしまいます。
とっても刺激的で煽情的な本作。
芽生えてしまった気持ちの、行き場のない心内の、行く末は。
揺れ動く心情が鮮明に、リアルに描かれた本作。 セクシーなホスト達の日常が、素敵な絵柄により色気たっぷりに描かれています。 ぜひその世界を覗いてみてください。
▽Canna編集部Twitter